同僚を残して転職するのは裏切りですか?【急性期から精神科へ転職した看護師の答え】
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転職したい。でも、一緒に頑張ってきた同僚を置いていくのは裏切りじゃないか。
そう思って踏み出せずにいませんか。
私もそう思っていました。でも今は、はっきり答えられます。
同僚を残して転職することは、裏切りじゃありません。
この記事では、先に去られた側・去る側、両方を経験した私が、その答えを正直に書きます。
もし転職を考えているなら、まず情報収集だけでもしてみてください。転職するかどうかは、その後にゆっくり決めればいいと思います。
私は、先に去られた側だった
転職を語る前に、まず正直に書かなければいけないことがあります。
私自身が、残される側を経験しているということです。
急性期病院で働いていた頃、同期が2人いました。年齢は私より若く、新人時代の研修や理不尽な場面を一緒に乗り越えてきた仲間です。年齢差はありましたが、それなりの絆があったと思っています。
その2人が、先に職場を去りました。
1人目は結婚を機に退職しました。四年制大学を出て、つらい新人時代も乗り越えてきた人でした。それがあっさりと、スパッと辞めていきました。
その時、私が感じたのは羨ましさでした。
私は40代でした。残りの看護師人生はそう長くない。ここで辞めてしまったら、一人前の看護師になれないのではないか。そんな考えが私を縛っていました。それなのに、その同期は結婚という理由でためらいなく次へ進んでいった。若さというのは強いな、と思いました。
2人目は同じグループ内の別の病院へ異動しました。新しい科への異動だったため、しばらくは新人扱いで夜勤にも入れず、日勤だけの日々が続きました。手取りは激減し、20万円を下回っていたのではないかと思います。
その同期はその状況に不満を持ち、すぐにより良い待遇の病院を探して移っていきました。
私であれば、しばらく我慢して業務を覚えて、夜勤ができるようになってから次を考えただろうと思います。でもその同期はそうしなかった。昭和育ちの私と、平成の同期との価値観の違いを感じた瞬間でした。
2人が去った後、職場に残ったのは私一人でした。
三人の中で、最後の一人。
その寂しさは、今でも覚えています。同時に、うっすらとした疑問が生まれました。同じ職場でずっと働き続けることへの疑問。不満を抱えながら働き続けることへの疑問。このまま自分が納得できない場所に居続けていいのか、という気持ちです。
転職を決めた背景には、あの2人の姿があったのかもしれません。
それでも私は転職を選んだ
転職を怖いと思っていました。でもあの2人を見て、少しずつその怖さが薄れていきました。
辞めても、人は前へ進んでいける。そのことを、身近な場所で見ていたからだと思います。
私が転職を決めた直接のきっかけは、奨学金の完済でした。急性期病院に入職する際に借りた奨学金を返し終えた日、迷いなく辞めようと思いました。子どものこと、妻のこと、家族との時間のこと。きれいごとではなく、それが転職の本音の理由です。
退職の挨拶をした日、残ってくれたみんなが残念がってくれました。
その言葉は素直に嬉しかった。同時に、申し訳ないという気持ちも確かにありました。
転職後に感じた、じわっとした罪悪感
精神科に移って最初に驚いたのは、定時に帰れるということでした。
急性期では残業が当たり前でした。朝早くから夜遅くまで、業務時間が終わっても働き続けるのが普通でした。それが精神科に来た途端、定時になったら帰れる。その落差に、最初は戸惑うほどでした。
でも帰り道、ふと思うことがありました。
この時間、みんなはまだ働いているんだろうな。記録にもたどり着けていないんだろうな。
それに比べて自分はこんなに早い時間に帰れている。なんだか申し訳ないな、という気持ちが、じわっと湧いてきました。
ただ、その気持ちは誰にも話しませんでした。申し訳なさはあった。でも、それよりも幸福度の方が上回っていたから、誰かに話す必要を感じませんでした。
急性期の嵐のような日々からようやく解放されて、子どもと過ごす時間が生まれた。後悔や申し訳なさに時間を使うのがもったいないと感じていたのだと思います。
だから申し訳なさは、自分の中で静かに抱えながら、自然に消えていくのを待つくらいのものでした。
1年後、みんなの現実を知った
転職して1年ほど経った頃、かつての同僚から連絡が来ました。
精神科ってどうなの、という内容でした。転職を模索しているようでした。
私は今の業務内容を正直に伝えました。でもその同僚にとって精神科のイメージはあまり良くなかったようで、暴力が怖い、自分には通用しないと思っている、ということでした。
そして前の病院の近況を聞いて、驚きました。
ボーナスが減らされていたのです。
その同僚は半ば愛想をつかしていて、転職を考えているとのことでした。私は看護部長に仲介することもできると伝えましたが、結局その同僚は動きませんでした。お互い頑張ろう、という言葉で連絡は終わりました。
その電話を切った後、気づいたことがありました。
みんなへの申し訳なさが、いつの間にか消えていました。
職場は変わっていなかった。むしろ状況は悪化していた。「私なんかが他の病院に行っても通用しない」という言葉も引っかかりました。その同僚は傾聴がとても上手な人でした。精神科に向いているんじゃないかと、私には思えました。それでも動けずにいる。
もったいないな、と思いました。同時に、先に動いた自分は、間違っていなかったんじゃないか。そんな確信が、静かに生まれました。
同僚を残して転職することは、裏切りじゃない
先に去った2人の同期に、当時の私は寂しさを感じていました。でも今振り返ると、あの2人は正しかったと思っています。
自分の人生を、自分で選んだ。それだけのことです。
残される側の痛さを知っているからこそ、言えることがあります。
去った人を恨んだことは、一度もありませんでした。寂しかったけれど、その選択を責める気持ちはありませんでした。おそらく、残されたみんなも同じだと思います。
転職は裏切りじゃありません。
一緒に頑張ってきた仲間への敬意は、その職場に居続けることでしか示せないわけじゃない。自分の人生を誠実に選ぶことと、仲間を大切に思うことは、矛盾しません。
後悔しないために動ける時期は、思っているより短いものです。あとで動こうと思っていたら、いつの間にか動けなくなっていた——そんな場面を、職場でも何度か見てきました。
罪悪感は、時間とともに自然に消えていきます。でも動かなかった後悔は、なかなか消えません。
だから先に動いた方がいい。私はそう思っています。
まとめ:その罪悪感は、あなたが優しい証拠です
同僚を残して転職することへの罪悪感。それはあなたが仲間のことを本気で思っているからこそ生まれる感情です。
でも、その優しさを転職しない理由にしないでください。
- 残される側の痛さを知っている私が言います。去った人を恨んだことはありませんでした。
- 転職後の罪悪感は、時間とともに自然に消えていきます。
- 動かなかった後悔の方が、ずっと長く残ります。
あなたの人生を、あなたが選んでいい。それは誰にも奪えない権利です。
迷っているなら、まず情報収集だけでもしてみてください。転職するかどうかは、その後にゆっくり決めればいいと思います。
精神科転職に関する記事は、こちらのページに不安の種類別でまとめています。