夜勤専従は高収入だけど体がもたなかった【準夜と深夜のミックスは特にきつい】
夜勤専従は、高収入で効率のいい働き方だと言われます。出勤日数が少なくて、かつ日勤中心の看護師より稼げる。日中の時間も使える。
私も実際にやってみました。でも結果的に、続けないことにしました。
この記事は、夜勤専従をやめるように勧めるものではありません。続けている人には、お金のことや職場の人手のことで、そうするしかない事情があると思います。
良かったところも、しんどかったところも、正直に書きます。給料は月にいくら増えたか。体に何が起きたか。家庭にどう影響したか。そして、夜勤専従の中でも特にきついシフトの組み方について。
なお、私の職場は三交代制です。二交代制の夜勤専従とは勤務の形が違うので、その前提で読んでいただけたらと思います。
これから夜勤専従を決める人は、引き受ける前に確認しておいたほうがいいことがわかります。いま続けている人は、自分の消耗が気のせいではないと確かめられると思います。
給料は月4〜5万円増えた【その他のメリットも紹介】
まず、良かったところから書きます。
一番は給料です。私の場合、月に4〜5万円ほど増えました。深夜勤の手当は準夜勤より高いので、深夜専属ならもっと増えると思います。年収で考えると、けっこうな差になります。
お金が必要なときに夜勤専従で稼いで、必要なくなったら別の働き方に戻る。そういう選び方ができるのは、看護師という資格の強みだと思います。
それから、委員会も会議もありません。日中の家族対応もない。これが思っていたより楽でした。検査や処置も少ないです。私の病院では採血は日勤帯の看護師がやってくれます。自分のペースで働けました。
ただし、これは精神科の、私の職場の話です。一般科の急性期なら、夜間の検査も急変も多いので、まったく違うと思います。
でも、患者さんに関われない・急変時は少人数
会議や家族対応がないのは楽です。でも、担当の患者さんにじっくり関わることはできません。夜中に家族へ電話するわけにもいきません。ケアワーカーと一緒に動く時間も減ります。
夜勤帯は人が少ないです。ふだんは落ち着いていても、入院が入ったり、急変があったりすると、その少ない人数でやるしかありません。精神科の夜勤は一般科より落ち着いているとは思います。それでも、何かあったときは大変です。
何より、体がしんどい【眠れない・疲れが抜けない】
辞めようと思った一番の理由は、これです。
眠りの質が落ちました。時間は寝ているはずなのに、ぐっすり眠れた感じがしません。眠剤を出してもらおうかと、冗談ではなく思いました。実際に、処方してもらいながら夜勤専従を続けている同僚もいます。
栄養ドリンクを買うようになりました。今まで、ほとんど買ったことがなかったのに。
疲れが抜けません。体調も崩しやすくなった気がします。のどの痛みが、いつまでも取れない。もともと血圧も高めなので、この先の自分の体が不安になりました。
平気な人もいるので、誰にでも起きることではないと思います。でも私の場合は、無視できないところまで来ていました。
一番きついのは、準夜と深夜のミックス
夜勤専従を考えている人に、これだけは伝えたいです。
準夜勤と深夜勤を混ぜた勤務は、特にきついです。これは三交代制の話になります。
私のシフトは「準・準・休・深・深」のような並びでした。字面だけ見ると、準夜のあとに休みが一日あります。悪くないように見えるかもしれません。
でも実際は、こうです。準夜勤で家に帰るのは深夜です。眠るのはそれから。そうやって夜型になった体で「休み」の一日を過ごして、その日の夜中に、また深夜勤で出勤します。勤務と勤務の間は空いているのに、休めた実感がありません。
しかもこの「休」が、休みになりません。今夜は仕事だと思うと、遠出はできない。朝から出かける気にもなりません。頭のどこかに、ずっと仕事があります。「休→深」の並びも同じです。一応は休みなのに、ゆっくりと休みを満喫できない。
準夜だけ、深夜だけの専属なら、もう少し楽かもしれません。出勤も退勤も同じ時間になるので、生活のリズムが一定になります。でもミックスは、リズムが定まりません。私は、この組み合わせはおすすめしません。夜勤専従を選ぶなら、どちらか一方にできないか確かめてみてほしいです。
家庭があると、負担はパートナーに集中する
準夜勤で家を空ける日は、夕食だけは私が作ってから出ます。でも、それ以外はすべて妻がやることになります。
学童保育の迎え、お風呂。それを一人でこなすのは大変です。朝はもっと大変だと思います。なかなか起きない子どもを起こして、朝食を作って食べさせて、集団登校に間に合うように急がせる。
こう書くと、たいしたことではないように見えるかもしれません。でも、うちの子は小学校低学年です。中間反抗期のような時期で、ひとつひとつがスムーズに進みません。へそを曲げる。怒って物に当たる。そのたびに、なだめて、また急がせる。精神的なストレスは相当なものだと思います。
妻からは、「夜勤専従は、できたらもうやめてほしい」と言われました。
自分の体を削っているだけのつもりでも、家族の生活が変わります。独身のころには、見えていませんでした。
ただし、これは人による
ここまで、しんどい話ばかり書きました。でも、公平に書いておきたいことがあります。
夜勤専従が合う人もいます。
長く夜勤専従をしている同僚がいます。淡々とした、あまり多くを語らない人です。「準夜と深夜のミックス、しんどくないですか」と聞いてみたら、それほどでもない、と言っていました。生活のかたちも、もともとの体質も、人それぞれです。同じ働き方でも、こんなに違うんだなと思いました。
だから、夜勤専従はやめておけ、という話ではありません。私にはきつかった。でも、あなたにとってどうかは、私にはわかりません。
いま、夜勤専従を続けているあなたへ
辞めたくても辞められない人は多いと思います。お金のこと、職場の人手のこと。「しんどいなら辞めれば」と簡単に言える話ではないことは、わかっているつもりです。
だから、辞めろとは言いません。
ただ、知っておいてほしいことがあります。
日本看護協会が示している夜勤専従勤務の留意点によると、本人が心身の負担やその軽減策について十分な説明を受け、納得したうえで、自分の希望によって選ぶこととされています。また、十分な健康管理の体制も求められています。夜勤専従勤務に就く前の健診、産業医の意見を聞くこと。健康状態に問題があれば、直ちに夜勤専従勤務を解除すること。
つまり夜勤専従は、本人が納得して選び、体調に問題が出たらやめられる働き方として想定されているということです。
あなたが感じているしんどさは、気のせいではありません。根性が足りないからでも、弱いからでもない。体調に不安が出てきたら、それを口に出していい。それはわがままではないはずです。
これから夜勤専従を決める人へ
引き受ける前に、シフトの組み方だけは確認してみてください。準夜と深夜が混ざるのか、どちらか一方なのか。それだけで、体の負担はかなり変わります。
もうひとつ。いつまで続けるのかを、なんとなくではなく決めておくことをおすすめします。半年なのか、一年なのか。期限を持って始めるのと、終わりが見えないまま続けるのとでは、同じ働き方でもまるで違うと思います。
さいごに
夜勤専従は、ずっと続けないといけないものではありません。
人生のどこかで選んで、また離れることができる。私はいったんここで離れますが、また必要になれば戻るかもしれない。そのくらいの距離感で付き合っていい働き方だと、いまは思っています。